オンライン医療にも「対話型AI」Cortiの可能性/GB Tech Development – BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報

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Picture credit score: Corti

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

オンライン診療向けAIサービスを開発する「Corti」が6,000万ドルの資金調達を発表しました。今回のラウンドはシリーズBで、Prosus VenturesとAtomicoがリードを務め、Eurazeo、EIFO、Chr. Augustinus Fabrikkerが出資しています。

Cortiは「AI Co-pilot」という医療向けAIアシスタントを開発しています。患者と医者がオンライン診察をしている際のサポートをしてくれるもので、例えば診察内容のドキュメント化や対話の流れから、どのような意思決定を医者がすれば良いのかを提案してくれます。

パンデミックの影響で世界的にオンライン診療が一般化してきましたが需要が増えた分、一人の患者に対応できる時間が減ってしまい、この限られた時間の中で最適な診療サービスを提供するためにCortiのAIが利用されている、という背景があるのだそうです。

さて、Cortiのような医療分野でのAIアシスタントの利用は、6〜7年前から模索されてきました。例えば予防医療に特化した「Ahead」があります。同社はすでにサービス閉鎖済みですが、2.25億ドルの資金調達を行い、Corti同様のユニークなアプローチを採用していました。

Forwardは「医療版Apple Retailer」をコンセプトにした月額149ドルの病院でした。当時最新だった医療用IoTを備えた病院を全米主要都市に設置し、患者が自分の身体の状態を調べられるようにしたのです。定期的にForwardに通ってもらうことで、予防のための病院の市場ポジショニングを目指していました。Cortiとの共通点は、病院駐在の医師の診療を受ける際、AIアシスタントが診療室の液晶画面に疾患に対する対処アイデアを表示・提案するフローにありました。このForwardの「予防医療領域」は市場ポジションとして可能性はありましたが、病院建設に多額の先行投資を必要としたのが閉鎖に至った要因ではないかと考えています。

CortiはForwardと異なりAIアシスタントによる成長を成功させました。予防医療の観点から患者に寄り添うAIアシスタントの需要は考えられますし、Forwardのような設備先行投資を伴わない分、彼らが獲得できなかった疾患「前」の市場を獲得できるかもしれません。これまで医者リソースが足りなかった領域に、対話型AIが参入できる可能性が広がっていると感じます。

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