シニアフィットネス「Daring」に注目が集まる2つの理由/GB Tech Pattern – BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報

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1,700万ドルの調達発表した「Daring」
Picture Credit score: Daring

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

高齢者向けにオンライン・エクササイズ動画を提供する「Daring」が1,700万ドルの資金調達を発表しました。投資家にはRethink Impression、Samsung Subsequent、Andreessen Horowitz Bio + Well being、Khosla Ventures、GingerBread Capital、Primetime Partnersらが名を連ね、累計調達額は2,700万ドルに到達しました。

同社の発表によると、サービス利用者は転倒を46%減少させ、会員の1週間のエクササイズ活動量を182%増加させたことが示されています。米国では、推奨されるエクササイズガイドラインを満たしている高齢者の割合が全体の15%未満であるというデータもあるので、巨大な潜在市場が期待の要因と言えそうです。

さて、今後のBoldが成長する上でのキーワードはふたつ挙げられます。

ひとつは「メディケア」です。これは米国の連邦医療保険制度で、65歳以上の高齢者、一部の若年障害者、および特定の慢性疾患を持つ人に保険を提供するものなのですが、同社のサービスはこのメディケアに登録されています。Boldはこのメディケアの対象になっている会員1,000万人が既にアクセスしているそうです。

この点では高齢者サービスで先行している「Papa」の事例が参考になります。同社は高齢ユーザーと大学生(Papa Friends)のマッチングサービスを立ち上げており、2021年時点でシリーズDラウンドにて14億ドルの企業評価で1.5億ドルの資金調達を発表しています。

彼らはこのPapa Palsを通じた高齢者向けオンデマンドサービス(付き添いや食料品の買い物のお手伝いなど)を提供しているのですが、Papaもやはり、このメディケアやその他の米国にあるヘルスケアプランと提携して規模を拡大してきたようです。

もう一つのキーワードは「フロリダ」です。Papaは米国でも有数の高齢者居住州であるフロリダ・マイアミを拠点に活動しているのですが、同州の高齢者率(65歳以上人口)は2020年時点で全米2位の21.3%と高い水準になっています。フロリダは高齢者フレンドリーな州とされ、温かい気候と高齢者に対しての節税優遇が他州より手厚くあることから、多くの高齢者が移り住んでいるのだとか。投資家視点で見ると、全米の中でも広い高齢者市場がフロリダにあると捉えています。

「メディケア」と「フロリダ」、この2点をカバーしてサービス成長をした事例としてPapaはユニコーンになっており、投資家陣も高齢者向けサービスにおいてはフロリダにも目を向けている印象があります。Boldもすでにメディケアは登録済みなので、今後米国での成長を望む際、フロリダ州ユーザーをどう攻略するのかが鍵となるかもしれません。

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